横浜市港北区米山歯科クリニック だ液の働きとドライマウス

■唾液の働きとドライマウス

生まれたときから常に口の中には唾液があります。
あまりにも身近すぎてその存在を意識することもなかったかもしれませんね。しかしその当たり前に感じていた唾液が人間の健康にとって非常に重要な役割を果たしていることが最近の様々な研究によって明らかになってきました。

■サラサラだ液とネバネバだ液
3大唾液腺1.pngネバネバとサラサラ1.png

唾液腺には三大唾液腺と呼ばれる「耳下腺」、「顎下腺」、「舌下腺」と、口唇の裏や口蓋に多数分布する「小唾液腺」があり、それぞれの部位から分泌される唾液にはサラサラとしただ液ネバネバとしただ液の2種類があります。

■それぞれ異なる唾液の特性
さらさら唾液(漿液性だ液)とネバネバ唾液(粘液性だ液)はそれぞれ異なった成分、働きを持っていて、食事時など刺激を受けたときに分泌される唾液(反射だ液)とそうでないときの唾液(安静時だ液)ではサラサラとネバネバの割合が異なり、反射唾液では安静時唾液に比べてサラサラの割合が多くなります。
唾液と交感神経.png
■唾液の働きとドライマウス(口腔乾燥症)
だ液の働き3.png唾液には左の図のように様々な働きがあり、いろいろなところで私たちの体を心身ともに守ってくれているのです。私たちはのどが渇けば水を飲めばいいのではと思いがちですが、重症になると決してそのようなレベルではありません。食べ物を飲み込めないとか、味がしない、口の中がネバネバする、口臭が強い、しゃべれないなど、生活の基本そのものが奪われてしまい体力も気力も表情も一気に衰えてしまいます。すなわち、唾液分泌量の低下というものは直接お口と全身の老化を早めてしまう主犯格ということになるのです。

唾液は1日におよそ0.5~1.5ℓほど分泌されますが、唾液の分泌障害がある人ではその量にまで達しません。一般的に多く用いられる唾液分泌量検査にはガムテストというものがあり、ガムを10分かませて、その間に排出された唾液量を測定し、10ミリリットル以下であれば低下としておりますが、高齢者になりますとこれだけの唾液が分泌されない方が多くなります。
ただし、間違ってはいけないのは唾液の分泌量低下は高齢になると誰でも起きる訳ではないという事です。健康な方であればたとえ高齢になられても決して唾液の分泌量は低下しません。

ではなぜ高齢者に唾液分泌量の低下した方が多くみられるのかというと、高齢者になりますと様々なお薬(口内乾燥を引き起こす可能性のある薬) 催眠鎮静剤、 抗パーキンソン剤、 抗てんかん剤、 抗ヒスタミン剤、筋弛緩剤、 消炎鎮痛剤、 抗潰瘍剤 、利尿剤 、去痰剤などを服用されていることが多く、それらのお薬によって唾液分泌量の低下が起こされている場合や唾液分泌量の低下が起こるような生活習慣を持つ方が非常に多いのです。下記にドライマウスを引き起こす疾患というものを列挙しましたが、実際にはドライマウスを主訴とする9割の患者さんが生活習慣やお薬の副作用によるものであり、疾患(シューグレン症候群など)が原因でドライマウスを引き起こしている方は極めて少ないと言われております。

唾液は食べ物を消化しやすくし粘膜を保護しますので、十分な唾液に包まれずに飲み込んだ食べ物は消化器官の負担となり、食道や胃腸の病気を招きやすくします。たとえば、一人暮らしの高齢者においては食べやすいものだけを食べてよく噛まないので、自然と唾液が出にくくなりますし、さらに会話をするということも非常に少なくなりますので飲み込みに必要な筋力が衰えてしまい舌の動かし方も鈍くなり、正常にものを飲み込むという動作ができにくくなってしまいます。そのような状態になってしまいますと、誤って食べ物が肺や気管に入り誤嚥性肺炎を招くことが多くなってしまうだけではなく、唾液は口に入った細菌やウイルスに対し抗菌作用を示しますので、誤嚥性肺炎は唾液の少なさが問題となるだけではなく風邪やインフルエンザなどの感染率も高めてしまいます。加えて唾液には口を清潔に保つ浄化作用というものがありますので、口の中が乾いたままですと虫歯や歯周病なども増加してしまいます。また最近では唾液成分の中には新しい細胞を作ったり、活力や気力を生み出すもとになったり心身の若さと深く関わるホルモンが含まれていることもわかってきており、まさに最近注目の的であるアンチエイジングにとって唾液というものが無くてはならない存在となっているのです。

【ドライマウスを起こす疾患】
原因としては以下のことが考えられます。
1)中枢性障害(唾液腺を分泌させる中枢の疾患)
唾液腺機能検査を行います。
精神的因子 神経症、抑鬱など
器質的因子 脳炎、脳腫瘍、外傷など

2)自律神経系
脳炎、外傷、神経外科的手術、末梢神経炎、顔面神経のマヒ

3)唾液腺の疾患
先天性形成不全、加齢による萎縮、唾液腺の炎症、 導管閉塞、唾液腺切除、シェーグレン 症候群、放射線照射など

4)全身の疾患
 1、水分バランス 過度の脱水、発熱、出血、尿崩症、糖尿病、浮腫性疾患、腎臓疾患 心臓疾患
 2、内分泌 更年期障害、貧血、バセドウ氏病

5)唾液が出てるが喉が渇く乾燥性咽喉頭炎
煙草、長引く喉頭炎の放置など


■たくさん唾液を出すには

1だ液腺マッサージ.png

1舌の運動.png

1よく噛む.png

1唾液を分泌するのに有効な食品.png