横浜市港北区米山歯科クリニックケースプレゼンテーション

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case1

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case1拡大像

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case2

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case3

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case1術中

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case2術前

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case3術前

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case3術中

上の4枚の写真は審美歯科修復の臨床例ですが、すべてどこかを治療しております。皆さんおわかりになりますか?
答えはその下の写真にあります。
左端の写真(case1)は、転んでしまって右上1番の歯を(皆さんから見て左側の前歯)を大きく破折してしまった患者様に、オールセラミッククラウンというものを被せて審美修復を行ったもので、となりの写真はその拡大像になります。さらにとなりの写真(case2)は左上の前歯(皆さんから見て右側の歯)をぶつけてしまい破折してしまったため、コンポジットレジンというものを用いて審美修復を行ったものであります。また右端の写真(case3)はインプラントと矯正治療を用いて審美修復治療を行ったケースなのですが、どこにインプラントを使用しているのかおわかりになりますか。

cace1とcace2は同じ破折症例であるにもかかわらず、前者にはオールセラミッククラウンというものを用いて、後者にはコンポジットレジンというものを用いたわけですが、これらの違いは破折している部分の大きさによって異なった修復法を選択しなくてはならないためなのです。破折した部分が大きくて神経まで取り去らなくてはならないような欠損の場合には、コンポジットレジンのように詰める、もしくは接着させるという修復法では十分な強度や審美性が得られないため、オールセラミッククラウンというものを用いることになりますし、破折した部分が小さく、詰める、もしくは接着させるという修復法で十分な強度や審美性が得られるような場合には、これ以上歯に対してダメージを背負わせないようにするためにも、なるべく小さな修復で済むコンポジットレジンというものを用いるための違いなのです。

Specialities のコーナーでも書かせていただきましたが、本来、審美歯科修復そのものが上記のようにとても多くの知識と技術を必要とする大変難しい治療なのですが、その中でもcase1やcase2 のように、天然歯(全く治療を受けていない歯)が修復歯のすぐ隣に位置しているようなケースにおいては、さらに難易度が高くなってしまうのです。それは、治療で用いたオールセラミックやコンポジットレジンなどの修復物を可能な限り隣にある天然歯に機能面、審美面を含めて近似させなくてはならないためなのです。逆に言うと、4本または6本といったように、連続した何本かを同時に治療できるようなケースの場合には、残っている天然歯が隣り合わせにならないため、機能的にも審美的にもそれほど残存している天然歯を考えずに独立して治療が行えるため、比較的難易度が低くなると考えていただいても良いのです。したがって、一本だけだからどこで治療してもそんなにかわりはないだろうと考えるのではなく、一本だけだからこそ本当の審美修復をお考えになられた方が良いと思うのです。

もちろん誤解していただいては困るのですが、連続した歯の審美修復においても、それはそれで単独歯の審美修復とはまったく異なった難しさやキーポイントが数多くあることは言うまでもありませんし、実際に複数歯の審美治療を行っている際にもその難しさにとても悩まされることも多々あるものなのです。cace3はそういった意味で大変難しいケースだったのですが、右上の前歯にインプラントを用いて上顎6本の審美修復を行っております。術前、術後の写真を比較していただけると、どこがどのように変わったのかがおわかりになっていただけると思うのですが、インプラント、矯正、歯周治療など非常に多くのテクニックを駆使して治療を行っているのです。

なお、使用している症例写真はすべて当院で実際に治療したものであり、大切な学術的資料であるため、複製・転載は絶対になさらないようお願い申し上げます。